蝸牛くも先生の『ゴブリンスレイヤー』が、非常にTRPGっぽくて面白い。
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主人公はゴブリンスレイヤー(小鬼を殺す者)とあだ名される只人(ヒューム)の戦士。
この作品世界のゴブリンは非常に厄介な魔物で、子供くらいの力しか無いのだが、徒党を組んで人々を襲う。作物や家畜を盗んだり、女子供を攫ったりする。攫われた人々の運命は非常に陰惨なもので、文字通り玩具にされた挙句に殺されたりする。
そうしたゴブリンどもを専門に鏖殺して廻る男が、ゴブリンスレイヤー。彼は銀等級という高いレベルの冒険者だが、ゴブリン退治のみを請け負っている。彼の関心事はゴブリンを殺す事、ただそれだけ。
角の折れた古びた鉄兜、鎖帷子を下に着込んだ皮鎧、中途半端な長さの剣と小さな丸盾が彼の装備。魔法の武器などの強い武器や防具はゴブリンに奪われた時の事を考えて使わない。

この作品の特徴として、まず人物に具体的な名前がついていないというのが挙げられると思う。
ゴブリンスレイヤーはあだ名だし、他の登場人物は牛飼娘、女神官、受付嬢、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶…といった塩梅。しかし、読んでいてこれによる不自由は感じない。

また、所々に往年のファンタジー好きやTRPGユーザーがニヤリとする仕掛けが散りばめられており、元ネタがわかる人にとっては思わずニヤリとしてしまう。
例えばレーアという小人の種族が登場するのだが、レーアは圃人とも表記される。圃人をホビトと読むと、ホビットの事かしら?とも読める。
他にも魔法の使用回数が決まっている辺り、『Dungeons & Dragons』を彷彿とさせるし、全体的な世界観は『ソード・ワールドRPG』の様だし。
妖精弓手がゴブリンスレイヤーの鏖殺手段にダメ出しをする辺りは、マンチキンプレイヤーを叱るプレイヤーの様で面白かったり。
こうしたネタが無数に散りばめられているので、往年のファンタジー好きは懐かしさすら感じる事と思う。
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現在は小説が7巻とコミックスが4巻、外伝が小説とコミックスがそれぞれ1巻ずつ出ており、今後はテレビアニメ化とTRPG化されていくという事なので、目が離せない(テレビアニメ化の際にゴブリンの悪虐な振る舞いはどう表現されるのだろうか?という心配はさておき…)。


ゴブリンスレイヤー (GA文庫)
蝸牛 くも
SBクリエイティブ
2016-02-25